ハイブリッド野菜、ハイブリッドフルーツとは|具体例でわかりやすく解説
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「ハイブリッド野菜」とか「ハイブリッドフルーツ」って何?具体的にどんなものがあるの?
こんな疑問に、野菜・果物販売歴20年以上の僕がわかりやすく、具体例も紹介しながらお答えします。
参考にしていただけると嬉しいです。
目次
ハイブリッド野菜とは
「ハイブリッド野菜」と聞くと、とても特殊な形をした野菜を思い浮かべてしまいますよね。
でもじつは、ほとんどの方はすでにハイブリッド野菜を食べています。具体的にどういうことなのかを順番に解説していきます。
「ハイブリッド野菜」を簡単に説明すると、以下の通りです。
- 2種類の野菜を掛け合わせることで新たに作り出された野菜
- 細胞融合野菜とも呼ばれる
ハイブリッドは「違った要素を混ぜ合わせたり組み合わせたりしたもの」という意味で、「電気とガソリンの両方を掛け合わせたハイブリッド車」がわかりやすい例です。
それぞれの長所を活かす素晴らしいアイデアで、ハイブリッド野菜はそれの野菜バージョンなんですよね。
ハイブリッド野菜と聞くと、すごく最新で特殊な野菜と思われがちですが、すでに身の回りにもたくさん存在していて、ほとんどの方がすでに食べています。
「ハイブリッド野菜」「ハイブリッド種」の違い
ちなみにハイブリッド野菜は「ハイブリッド種」とも表現されます。
少し表現がややこしいのですが、まずハイブリッドには以下の4つの種類があります。
- 1つの野菜から2つの野菜が取れるもの
- 2つの全く異なる野菜が見るからにドッキングしているもの
- 見た目はシンプルだけど、じつは違う品種の掛け合わせから出来ているもの
- 同じ野菜だけど特徴の違う品種を掛け合わせているので、見た目は同じだけど性質が違うもの
どれも2種類の野菜を掛け合わせることで、新たに作り出された野菜なのでハイブリッド野菜ですが、厳密には以下のようになります。
- ①と②がハイブリッド野菜
- ③と④がハイブリッド種
お店で売られているほとんどの野菜がハイブリッド種
じつはスーパーや青果店で販売されている野菜というのはほとんどがハイブリッド種です。
すでに品種改良などで「何かと何かを掛け合わせて」栽培されているものが多くて、ほとんどが上記の③と④ですからね。
つまり日頃からハイブリッド種の野菜を食べているということです。
下記でもう少し掘り下げてハイブリッド種について解説します。
固定種(在来種)とハイブリッド種(F1種)
野菜には、以下の2種類があります。
- 固定種(在来種)
- ハイブリッド種(F1種)
固定種(在来種)とは
ハイブリッド種とは逆の「掛け合わせて作られていない元々ある本来の品種」です。
ずっとその地域でしか栽培されていない地場野菜(郷土野菜)などです。
何かと何かを掛け合わせることなく、代々その土地で種まきから収穫までを繰り返し栽培され続けている野菜です。
わかりやすい例えだと京野菜などですね。
ですので、その時期の状態によってカタチや大きさなどもバラバラで不揃いになったりすることもありますが、味は濃くて美味しいことが多いです。
いえば「野菜本来の姿」ともいえます。
ハイブリッド種(F1種)とは
先ほどお話ししたように「2種類の野菜を掛け合わせることで新たに作り出された野菜」のことです。
つまり品種改良された野菜はハイブリッド種なわけです。
例えば、「味はいまいちだけど暑さに強い野菜」と「味はいいけど暑さに弱い野菜」を掛け合わせることで、「味がよくて暑さにも強い野菜」が出来るという感じです。
ちなみに「F1種」というのは「雑種第1世代」といわれるもので、簡単にいうと父(固定種)×母(固定種)から生まれた子供のことです。
その「交配によって作られた新品種1代目」のことを専門用語でF1種と呼びます。
ハイブリッド野菜が作られる理由(メリット)
なぜハイブリッド野菜が作られるのか?
その理由は以下の通りです。
- 栄養価が高い
- 病害虫に強い
- 品質屋大きさなどが安定する
- 収穫量が安定しやすい
メリットが大きいです。
身近にある具体的なハイブリッド野菜
具体的に身近にある代表的なハイブリッド野菜を紹介します。ネットで種など購入出来るものもあります。
- ロマネスコ:ブロッコリー×カリフラワー(別名:カリブロ カリッコリー)
- スティックセニョール:ブロッコリー×カイラン(中国野菜) (別名:茎ブロッコリー スティックブロッコリー ブロッコリーニ)
- べんり菜:小松菜×チンゲン菜
- レタサイ:レタス×はくさい
- ハクラン:はくさい×キャベツ
- センポウ菜:キャベツ×小松菜
- はなっこりー:サイシン(中国野菜)×ブロッコリー
その他、かなり見るからに特殊なハイブリッド野菜として有名なものは、キャベコン(キャベツから大根が生えたような野菜)などもありますが、見るからに好き好んで食べるかというと…、ちょっと疑問ですね。
あとTomTato(トムテト)という、1つの苗で「地上にトマト」「地中にジャガイモ」が出来るものもありますよ。
ハイブリッド果物(ハイブリッドフルーツ)とは
果物も何かと何かの果物を掛け合わせたりして品種改良されることで誕生した品種はたくさんあります。
つまり「ハイブリッド果物」ですが…、こう呼ばれることはほとんどないですね。果物の場合は「ハイブリッドフルーツ」と呼ばれます。
主に下記の3つの種類があります。
- 異なる種類のフルーツを交配し改良した品種
- 同じ種類のフルーツを交配したものや突然変異種を改良した品種
- バイオテクノロジーの技術で細胞同士を融合などして改良した品種
果物も野菜と同じで、お店で売られている果物にはハイブリッドフルーツが多いです。
とくにわかりやすい有名なものを紹介します。
- タンゴール(みかん×オレンジ):わかりやすく言うと清見オレンジのことで、「清見オレンジ=清見タンゴール」です。この清見オレンジを中心にいろんな柑橘類が生まれていますが、それらは全てハイブリッドフルーツです。
- タンジェロ:タンジェリン×文旦(またはグレープフルーツ)
- タンゼロ:みかん×文旦
- オランジェロ:グレープフルーツ×オレンジ
- マーブル:マーコット×ネーブルオレンジ
- マイヤーレモン(メイヤーレモン):オレンジ×レモン
その他にも「ピーチパイン」「バナップル」「パパイヤメロン」などがあります。
おわりに
ということで、ハイブリッド野菜・ハイブリッド果物(フルーツ)についてお話ししましたがいかがでしたか?今後さらにさまざまな新種が生まれてきて、栽培方法もいろいろ変わってくるでしょうね。将来的には食文化自体を変えてくることも想像出来ますし、「生産→消費」の全てが変わってくるかもしれません。
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