「種無しぶどう」と「種ありぶどう」の違い【どっちが美味しい?にも回答】

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悩む女性

「種なしぶどう」と「種ありぶどう」の違いって何だろう? どっちが美味しいとかあるのかな?

こういった疑問に、ぶどう販売歴20年以上の僕が写真ありでお答えします。

参考にしていただけると嬉しいです。

種無しと種ありの違い

ぶどう(ブドウ/葡萄)には種なしと種ありがあって、「食べやすい」「手が汚れない」という理由から“種なし”の方が圧倒的に人気があります。

お店でも「このぶどうは種なし?種あり?」とよく質問をいただきますし、「種あり」というだけで敬遠し「種なし」を購入されるお客さんが多いのが現実です。

そんな中でたまにお客さんから「種なしと種ありの違いって何?」というご質問をいただくことがあります。

その答えは以下の通りです。

本来は「種あり」で、ジベレリン処理によって「種なし」にしている

※“種なし”という別品種ではないです

ジベレリン処理とは?

以下の通りです。

ぶどうの雌しべの柱頭に花粉がついて受粉するのを防ぐために、ジベレリンという「ぶどうを種なしにする」「ぶどつの粒を大きくする」役割をしてくれる特殊な植物ホルモン溶液に、ぶどうの花を一房一房に浸していくこと

ジベレリン処理は2回する必要があります。

  • 1回目 → ぶどうの花が咲いた頃(満開前) 種なしにする、つまり受粉を防ぐため
  • 2回目 → 上記の10~15日後 果粒を肥大化させるため

本来は受粉することで子房の中に種子ができて、子房が膨らんで実になるのに…、受粉しなくてもジベレリン液に浸すことで実を作ることができるって驚きですよね。

中にはカリフォルニアレーズンの原料に使われているトンプソン・シードレスのように、もともと種がほとんどない品種もありますが、基本的には上記のようにして種ありを種なしにしている、これが「種無し」と「種あり」の違いです。

ちなみにジベレリン処置は完璧なものではないので、品種によっては種が少し残ってしまうこともあります。

種無しぶどうと種ありぶどう、どっちが美味しいの?

答えは「種あり」の方が美味しいです。

理由は2つあって以下の通りです。

  • 種なしぶどうは、ジベレリン処理をすることで味が薄くなってしまうことがあるから
  • 種なしぶどうは、脱粒するのを避けるために、熟度が完全に上がる前に収穫する(早採りする)から

後者の方について少し掘り下げます。

種無しぶどうって、「果実(粒)が枝から外れやすいな…」と思ったことありませんか?

それには理由があって、「種なしぶどうには、種と軸をつないでいる部品がないから」です。

わかりやすいように写真で解説します。

「これ!」の部分です。

種なしぶどうにはこの種と軸がつながっている部分がなく、

このような感じで、皮一枚で軸とつながっているみたいなものです。

なので、ぶどうの熟度が上がれば上がるほど脱粒しやすくなります。

その脱粒を防ぐために種なしぶどうは熟度が完全に上がる前に収穫する(早採りする)ので、しっかり熟してから収穫される種ありの方が美味しいわけです。

ぶどうは糖度が高い(甘い)果物ですので、少しくらい早取りをしても美味しいことは美味しいですが、やはりちゃんと熟してから収穫される種ありぶどうの方が味にコクがありますね。

おわり

おわりに

ということで、「種なしぶどう」と「種ありぶどう」についてでした。

種無しぶどうがジベレリン処理によって作られていたことを初めて知った方は驚いたかもしれませんし、中には植物ホルモンの溶液(ジベレリン)に浸けていることに抵抗を感じた方もいるかもしれませんね。

ただ、ジベレリン処理はキチンと国が定めている審査を経て、安全性が検証されているものなので全く心配する必用はないですよ。

ということで以上になります。

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