スーパーマーケットのAI活用とは?導入事例・必要なスキル・就職への影響を現役バイヤーが解説
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「スーパーマーケットではAIを何に活用しているの?これからスーパーで働くなら、AIスキルも必要になるのかな?」
そんな疑問を持っている方に向けて、スーパーのAI活用について現場目線で解説します。
こんにちは。スーパー・青果業界歴25年以上、青果バイヤー歴20年以上の、こーちです。
AIの進化によって、スーパーマーケットの仕事が変わり始めています。
発注や在庫管理、売上分析、値引き判断、販促物の作成など、AIを活用できる仕事は少なくありません。
実際にAIを導入して成果を上げているスーパーもあります。
一方で、これからスーパーへの就職・転職を考えている方にとっては、
「AIを使えないと採用されないのでは?」
「スーパーで働くにも、AIスキルを覚える必要がある?」
「そもそもAIに仕事を任せて大丈夫なの?」
といった不安もあるでしょう。
僕自身、青果バイヤーとして実際の仕事にChatGPTを取り入れ、仕入れ商品の比較、Excelの作成、折込広告の原稿作成、POPの分析などを行っています。
そして実際に使ってきたからこそ、AIの便利さだけでなく、間違いや失敗も経験してきました。
この記事では、スーパー業界でのAI導入事例と、僕自身の実践経験をもとに、AIを何に活用できるのか、どんなスキルが必要になるのかをわかりやすく解説します。
現在スーパーで働いている方はもちろん、新卒・中途採用・未経験からスーパーへの就職や転職を考えている方にも役立つ内容です。
スーパーマーケットのAI活用とは?すでに現場で始まっている変化
スーパーのAI活用は、発注や値引きの判断支援から、資料作成などの日常業務まで広がっています。
スーパーマーケットのAI活用とは、人工知能を使って業務を効率化したり、販売や店舗運営の判断を支援したりすることです。
AIというと、ロボットが品出しをしたり、無人店舗で買い物ができたりする未来を想像するかもしれません。
しかし、実際のスーパー業界では、もっと身近なところでAIの活用が進んでいます。
例えば、過去の販売実績から翌日の販売数量を予測したり、売れ残りを減らすために値引きのタイミングを検討したりすることです。
さらに、ChatGPTなどの生成AIを使えば、売場のPOPや広告原稿、Excel資料などの作成も支援できます。
スーパーで使うAIには大きく2つのタイプがある
スーパー業界のAI活用を理解するには、まず2つの違いを知っておくことが大切です。
① 需要予測や自動発注などに使われる業務用AI
販売実績、天候、曜日、在庫などのデータを分析し、発注数量や値引きの判断を支援するシステムです。
店舗の販売管理システムなどと連携して使われることがあります。
② ChatGPTなどの生成AI
文章や企画案の作成、資料の整理、画像の分析、Excelファイルの作成などを支援するAIです。
僕自身が日々の仕事で活用しているのは、主にこちらです。
この2つは、どちらもAIですが、使い方が違います。
例えば、ChatGPTに売上データの分析を依頼することと、店舗の販売管理システムに連動した自動発注AIを導入することは同じではありません。
大切なのは、AIという言葉だけで考えるのではなく、どの業務に、どのような仕組みで使われているのかを理解することです。
スーパーではAIを何に活用している?主な5つの仕事
発注・在庫管理・値引き・レジ・売上分析・販促など、さまざまな業務がAI活用の対象です。
スーパーでAIを活用できる仕事は、大きく5つに分けられます。
① 発注・在庫管理|需要を予測して無駄を減らす
スーパーにとって、商品の発注は非常に重要な仕事です。
発注数量が多すぎれば売れ残りや廃棄につながり、少なすぎれば欠品による販売機会の損失につながります。
そこで活用されるのが、AIによる需要予測です。
過去の販売実績や天候、曜日、季節などを分析し、必要な発注数量を予測する仕組みです。
ただし、AIによる予測が必ず正しいわけではありません。
特に青果では、商品の品質や相場、入荷状況によって販売計画が変わることがあります。
僕自身、青果の仕入れに長年携わってきましたが、同じ商品でも、その日の品質や価格によって売り方を変えることがあります。
こうした判断に、現場経験が役立ちます。
スーパーの発注AIの仕組みと、需要予測・自動補充の考え方については、別の記事で詳しく解説しています。
② 値引き判断|食品ロスの削減に活用する
スーパーでは、売れ残りを減らすために商品の値引きを行います。
ただし、値引きのタイミングや金額を決めるのは簡単ではありません。
早すぎる値引きは利益を減らす原因になりますし、遅すぎれば売れ残る可能性があります。
AIを活用した値引きシステムでは、商品の販売実績や在庫、時間帯、客数予測などをもとに、値引きのタイミングや価格を提案します。
実際に、こうしたAIシステムを導入している食品スーパーがあります。
具体的な企業事例は、次の項目で紹介します。
③ レジ・接客|会計や商品認識を支援する
スーパーでは、セルフレジやセミセルフレジが利用されています。
ただし、セルフレジは必ずしもAIを使っているわけではありません。
AIを活用したレジには、カメラによる画像認識などで商品を判別する方式があります。
また、AIを使った案内や問い合わせ対応なども、活用が検討される分野です。
ただし、お客様への説明やトラブル対応には、人間によるサポートが必要な場面もあります。
AIレジとセルフレジの違いを詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
④ 売上分析・販売計画|データから改善のヒントを得る
スーパーでは日々、多くの商品が販売されます。
その売上データを分析すれば、売れ筋商品や販売傾向、改善が必要な商品などを把握できます。
例えば、商品別売上の集計やABC分析、売上構成比の計算などです。
AIを使えば、分析方法の提案やデータの整理、グラフの作成などを支援してもらえます。
ただし、分析結果をそのまま販売計画に採用するのではなく、季節性や利益率、商品の役割も考慮することが大切です。
⑤ POP・広告・資料作成|生成AIで日常業務を効率化する
そして、僕が実際に活用しているのが、この分野です。
ChatGPTなどの生成AIを使い、POPや商品説明文、Excel、広告原稿などを作成しています。
例えば、商品情報を整理して比較表にしたり、販売価格を変更すると値入率が自動計算されるExcelを作成したりできます。
さらに、画像を見せてPOPの特徴を分析してもらうことも可能です。
僕がAI活用の価値を強く感じたのは、質問に答えるだけでなく、実際の仕事で使う成果物まで作成できたことです。
ここからは、企業によるAI導入事例と、僕自身の実践例を紹介します。
スーパーマーケットのAI導入事例|バローと藤三の取り組み
実際にAIを導入し、発注作業の効率化や食品ロス削減に取り組むスーパーがあります。
「スーパーでAIが使われている」と聞いても、実際にどのような成果が出ているのか気になりますよね。
そこで、企業が公表しているAI導入事例を2つ紹介します。
バロー|AIによる需要予測で発注作業時間を36.5%削減
2026年8月19日、日本気象協会とソフトバンクは、スーパーマーケットバローの惣菜部門で実施したAI活用の実証結果を発表しました。
この実証実験には、バローホールディングスと中部フーズが協力しています。
対象は20店舗。
気象データや人流データ、店舗の販売実績などを利用し、AIによる需要予測や自動発注、値引きの最適化を検証しました。
その結果、比較店舗との分析で次の成果が報告されています。
・発注・計画作業時間:36.5%削減
・食品廃棄量:12.6%削減
・売上高:2.9%増加
・売上総利益:4.1%増加
発注・計画作業時間は、週約127分から約81分になったと報告されています。
これらは実証対象店舗で確認された結果であり、すべてのスーパーで同じ効果が出ることを示すものではありません。
それでも、AIの需要予測を活用することで、発注作業と食品ロスの両方を改善できたことは注目に値します。
青果バイヤーの僕が特に気になるのは、発注の計算や需要予測にかかる時間が減れば、その分を商品の品質確認や売場づくりに使えることです。
ただし、惣菜と青果では商品の特性が異なります。
同じ方法をそのまま青果の発注に当てはめられるわけではありません。
AIが出した数字をどのように現場の判断につなげるか。そこが今後の重要なポイントになると考えています。
※出典:ソフトバンク・日本気象協会による2026年8月19日の公式発表
藤三|AIによる値引き判断を全26店舗に導入
もう一つの事例が、広島県のスーパーマーケット「藤三」です。
2026年3月13日、シノプスとサトーは、藤三の全26店舗にAI値引きソリューションを導入したと発表しました。
このシステムは、販売実績や在庫、客数予測、天候などのデータをもとに、値引きのタイミングや金額を判断する仕組みです。
さらに、AIが提案した値引き内容をもとに、値引きシールを発行できます。
注目したいのは、単純な値引き作業の効率化だけではありません。
それまで経験豊富な店長や副店長が担当していた値引き業務を、学生アルバイトも担当できるようになったと発表されています。
店長や副店長は、店舗運営や管理業務に時間を使いやすくなりました。
つまり、AIを導入したことで、仕事に必要な経験や担当できる人の範囲が変わったということです。
もちろん、AIの判断を利用する場合も、商品の状態や売場の状況を確認することは大切です。
しかし、これまで熟練者の経験に頼っていた仕事を、仕組みとして標準化できることには大きな意味があります。
2つの事例から見えてくるAI活用の本当の価値
バローと藤三の事例には、共通点があります。
それは、単に人間の代わりにAIが仕事をするのではなく、これまで人間が時間をかけていた判断や作業の一部を、AIが支援する仕組みに変えていることです。
バローでは、需要予測によって発注・計画作業の負担を減らしました。
藤三では、値引き判断を標準化することで、経験の浅いスタッフも仕事を担当しやすくなりました。
このような変化は、スーパーで働く人にとっても重要です。
今までの経験が不要になるという話ではありません。
経験を生かす仕事の内容や、時間の使い方が変わっていくということです。
現役青果バイヤーが実際に試した3つのAI活用事例
仕入れ比較・Excel作成・折込広告・POP分析まで、実際の仕事で生成AIを活用しました。
ここまで紹介したのは、企業が専用のAIシステムを導入した事例です。
では、大規模なAIシステムを導入しなければ、スーパーの仕事にAIを活用できないのでしょうか。
そんなことはありません。
僕自身、ChatGPTを使って、日々の青果業務を効率化する方法を試してきました。
ここでは、実際に取り組んだ3つの事例を紹介します。
実例①|新商品23品の仕入れ比較とExcel作成
2026年10月、新商品の導入を検討するため、取引先から届いた見積書をChatGPTに確認してもらいました。
対象は全部で23品。
商品名、内容量、仕入価格、ケース入数などを確認しながら、仕入れ候補を比較する仕事です。
最初に驚いたのは、AIが見積書と商品画像一覧を照合し、JANコードの食い違いを指摘してきたことでした。
もちろん、どちらのJANコードが正しいかは、AIだけでは判断できません。
しかし、複数の資料から確認が必要な箇所を見つけられることは、大きなメリットでした。
そして、最終的に完成したのが、23品の情報を比較でき、販売価格を変更すると値入率が自動計算されるExcelです。
売価を検討しながら値入率を確認できるため、商品選定の判断材料として活用できます。
ただし、AIのおすすめ商品の順位が途中で変わるなど、問題もありました。
だからこそ、提案の理由を確認し、最終的な仕入れ判断は自分で行うことが大切だと感じました。
実際の作業の流れや失敗した場面については、青果バイヤーがChatGPTで新商品23品を比較し、Excelを作成した実践記録で詳しく紹介しています。
実例②|折込広告の原稿をExcelで作成
次に紹介するのは、折込広告の原稿作成です。
スーパーの広告原稿では、商品の選定だけでなく、産地、規格、価格、掲載日などの情報を整理する必要があります。
さらに、印刷会社に提出するExcel原稿が決まっている場合は、その書式を守って入力しなければなりません。
そこでChatGPTに、商品企画から指定のExcel原稿への入力まで依頼しました。
実際に、元のExcel書式を利用しながら原稿を作成するところまで進められました。
ここで重要なのは、AIが新しい表を作るだけでなく、すでに仕事で使用しているExcelファイルを扱えることです。
もちろん、最初からすべて完璧だったわけではありません。
価格や規格、入力する場所、書式など、確認や修正が必要な部分もありました。
それでも、実際の仕事で使うExcel原稿をAIと一緒に作れたことは、大きな成果でした。
詳しくは、ChatGPTで折込広告の原稿作成を効率化した実践記事で紹介しています。
実例③|他店の売場写真からPOPを分析してExcel資料を作成
3つ目は、他店のPOP分析です。
Instagramに公開されていた食品スーパーの売場写真をChatGPTに確認してもらい、商品ごとのキャッチコピーや販売価格、訴求の切り口を整理しました。
最終的には、7商品の情報をExcel資料にまとめ、A4サイズで印刷するところまで進めました。
この仕事で特に役立ったのは、写真に写っている情報を、比較しやすい形に整理できたことです。
例えば、同じような商品でも、甘さを強調するのか、食感を伝えるのか、食べ方を紹介するのかによって、POPの表現は変わります。
そうした違いを比較できれば、自分の売場づくりにも応用できます。
ただし、細かい文字をAIが読み間違えることもありました。
写真を拡大したり、読み取った情報を確認したりする必要があります。
詳しくは、ChatGPTで他店のPOPを分析し、Excel資料を作成した実践記録をご覧ください。
3つの実例に共通していること
これらの仕事には、一つの共通点があります。
AIを使う目的が「AIを使うこと」ではなく、「実際の仕事を進めること」になっているという点です。
仕入れ比較なら、商品を選ぶための判断材料を作る。
折込広告なら、提出するExcel原稿を作る。
POP分析なら、販促の参考にする資料を作る。
何を完成させたいのかが明確だからこそ、AIを具体的な仕事に活用できます。
そして、AIが完成したと言っても、それを実際に使えるか確認するのは人間です。
こうした業務改善の進め方については、スーパー業務を効率化するAIの使い方と、青果バイヤーの実践例で詳しく解説しています。
スーパーで働くのにAIスキルは必要?今から覚えたい3つの力
すべての職種に高度なAIスキルが必要なわけではありません。まずは仕事にAIを生かす基本を知ることが大切です。
スーパーマーケットでAIの活用が進むと、「これからはAIスキルがないと働けないのでは?」と不安になる方もいると思います。
結論から言えば、現在、スーパーで働くすべての人に高度なAIスキルが必須というわけではありません。
必要な能力は、企業や職種によって違います。
例えば、レジ担当者とバイヤー、本部のデータ分析担当者では、求められる仕事の内容が違います。
ただし、AIを利用する業務が増えれば、AIの基本的な使い方を知っていることが役立つ場面も増えるでしょう。
僕がスーパーの現場で大切だと考えるのは、次の3つです。
① AIに仕事内容や条件を伝える力
AIを使うとき、まず必要なのは「何をしてほしいか」を伝えることです。
例えば、単に「果物のPOPを作って」と頼むだけでは、売場に合ったものができるとは限りません。
どの商品なのか。
どんな特徴を伝えたいのか。
どのくらいの大きさのPOPなのか。
誰に向けた文章なのか。
こうした条件を具体的に伝えることで、目的に合った結果を得やすくなります。
② AIの回答を確認して修正する力
AIが作った文章やExcel、資料が正しいとは限りません。
商品の価格が間違っていたり、計算式が違っていたり、画像に書かれた文字を読み間違えていたりすることもあります。
実際に僕も、AIが作成した成果物を何度も確認し、修正してきました。
AIを使えることと、AIの結果を正しく判断できることは別です。
だからこそ、完成したものを確認する力が重要になります。
③ 現場経験とAIを組み合わせる力
AIは大量の情報を整理したり、複数の案を提案したりできます。
しかし、実際に目の前にある果物の品質や、お客様の反応、売場の状況をすべて把握しているわけではありません。
例えば、AIがある商品の販売強化を提案しても、実際の商品状態が良くなければ、その判断を見直す必要があります。
逆に、現場を知っている人がAIを使えば、自分の経験を踏まえて、より具体的な提案を求めることができます。
スーパーで身につけたいAIスキルについては、スーパー勤務でも役立つAIスキルと、最初に覚えたい力で詳しく紹介しています。
AIを使えないとスーパーへの就職・転職は厳しくなる?
AIを使えないだけで就職できないわけではありません。ただし、仕事に必要なスキルは変化していきます。
スーパーへの就職や転職を考えている方にとって、気になるのがAIスキルの必要性でしょう。
特に、これから社会に出る新卒の方や、異業種からスーパーへ転職する方は、不安を感じるかもしれません。
しかし、AIスキルがないという理由だけで、すべてのスーパーへの就職が厳しくなるわけではありません。
新卒でスーパーに就職する場合
新卒採用では、企業や応募職種によって評価される能力が異なります。
接客やチームワーク、商品への関心、基本的なパソコン操作などが重要になる仕事もあります。
AIを使った経験があれば、自分から新しいことを学んだ経験として伝えられる場合もあるでしょう。
ただし、AIスキルを持っているだけで採用が有利になるとは限りません。
大切なのは、応募先の企業がどのような人材を求めているかを確認することです。
中途採用・未経験からスーパーへ転職する場合
中途採用では、前職での経験をどのように生かせるかも重要です。
例えば、営業経験があればお客様とのコミュニケーションに、事務経験があれば資料作成やデータ管理に役立つことがあります。
そこにAIの基本的な使い方が加われば、仕事の進め方を工夫できるかもしれません。
ただし、AIが使えなくても、売場業務や接客を通じて学べることは多くあります。
AIスキルが必要かどうかは、スーパーという業界全体ではなく、応募する企業と職種の条件で判断しましょう。
この点については、スーパーへの転職にAIスキルは必要なのか?現役バイヤーが解説で詳しく紹介しています。
AIを使える人と使えない人に差は生まれる?
AIを使える人と使えない人では、仕事の進め方に差が生まれることがあります。
例えば、同じ資料を作る場合でも、AIに下書きを任せる人と、一から手作業で作る人では、必要な作業が違います。
ただし、AIを使ったからといって、必ず仕事が早く終わるわけではありません。
AIの間違いを修正する時間が必要になることもあります。
それでも、AIを活用できる業務を知り、必要に応じて使えるようになることは、今後の仕事の選択肢を増やすことにつながります。
詳しくは、AIを使える人と使えない人の差は、スーパーの現場でどう表れるのかで解説しています。
なお、AIによってスーパーの雇用や仕事内容がどう変わるのかについては、スーパー業界×AIの全体像|仕事・将来・必要なスキルの総合ガイドで詳しく紹介しています。
スーパーの仕事でAIを活用するには何から始めればいい?
最初から難しいことに挑戦する必要はありません。身近な業務から試す方法があります。
スーパーでAIを使ってみたいと思っても、最初は何をすればよいかわからないかもしれません。
僕がおすすめするのは、まず身近な仕事を一つ選ぶことです。
ステップ①|小さな仕事からAIを試してみる
例えば、商品説明文の下書きや、売場の販促案を考えることです。
最初は実際の社内資料を使わず、架空の商品情報や公開情報で練習する方法もあります。
AIを仕事で使う前に、会社のルールを確認することも忘れないようにしましょう。
ステップ②|完成したものを自分で確認する
AIが作った文章や資料が、実際に使える内容になっているかを確認します。
例えば、POPなら商品の特徴が正しいか。
Excelなら数字や計算式が間違っていないか。
印刷する資料なら、指定の用紙サイズに収まっているか。
こうした確認は、AI活用に欠かせません。
ステップ③|使えた方法を次の仕事に応用する
一度うまくいった方法は、ほかの仕事にも応用できます。
POP作成に慣れたら、商品説明文や広告原稿にも挑戦する。
Excel作成に慣れたら、商品比較や売上管理にも応用してみる。
このように、実際の仕事に合わせて少しずつ活用範囲を広げていくとよいでしょう。
また、AIの使い方を基礎から体系的に学びたい方には、独学だけでなくAIスクールという選択肢もあります。
自分に必要な学習内容や費用を比較したい方は、スーパー・小売の仕事に役立つAIスクールおすすめ5選も参考にしてみてください。
ただし、AIを仕事で使い始めるために、必ず有料スクールへ通う必要があるわけではありません。
まずは自分の目的に合った学び方を選ぶことが大切です。
スーパーでAIを活用するときの注意点とデメリット
AIは便利ですが、回答の間違いや情報管理、業務への適合性には注意が必要です。
実際に仕事でAIを使っていると、便利なことばかりではないと感じます。
特に注意したいのは、次の4つです。
① AIが出した情報が正しいとは限らない
AIは、もっともらしい文章や数字を出してくることがあります。
しかし、その内容が正しいとは限りません。
僕自身、AIが資料の内容を読み間違えたり、提案の内容が途中で変わったりした経験があります。
だからこそ、重要な数字や情報は必ず元の資料と照合しています。
② AIが使えることと、仕事ができることは違う
AIを操作できても、商品の品質を判断したり、お客様の要望に対応したりする力が自動的に身につくわけではありません。
例えば、果物の販売では、品種の特徴だけでなく、実際の品質や食べ頃、売場での見せ方も重要です。
AIの知識だけでなく、現場の仕事を理解していることが大切です。
③ 取引先や会社の情報を無断で入力しない
スーパーの仕事には、仕入価格や取引条件、売上データ、顧客情報などが関係します。
こうした情報を外部の生成AIに入力する際は、会社の利用ルールや情報管理の方針を確認する必要があります。
許可されていない機密情報や個人情報は入力しないことが基本です。
また、ブログやSNSでAIを活用した仕事の成果を紹介するときも、取引先や勤務先が特定される情報に注意が必要です。
④ AIを使えば必ず時間短縮できるわけではない
AIが作った資料を修正するために、何度もやり取りが必要になることもあります。
思ったとおりのExcelができなかったり、印刷設定が違っていたりすることもあります。
そのため、AIで本当に効率化できたかを判断するには、作業時間だけでなく、修正にかかった時間や成果物の品質も考える必要があります。
AIが作ったものを確認せずに使うのではなく、実際の仕事で使える状態まで仕上げることが大切です。
スーパーマーケットのAI活用でよくある疑問(Q&A)
スーパーのAI導入や必要なスキル、就職への影響について、気になる疑問にお答えします。
Q. スーパーマーケットでは、すでにAIが使われていますか?
はい。需要予測や自動発注、値引き判断などにAIを導入しているスーパーがあります。
例えば、バローではAIを活用した需要予測や値引き最適化の実証が行われ、藤三ではAI値引きシステムが全26店舗に導入されています。
ただし、導入状況や対象業務は企業によって異なります。
Q. スーパーの仕事でChatGPTは使えますか?
はい。使用する環境や会社のルールによりますが、商品説明文の作成、資料の整理、Excel作成、販促案の検討などに活用できます。
僕自身も、仕入れ商品の比較Excelや折込広告の原稿作成などに利用しています。
ただし、完成したものは必ず確認する必要があります。
Q. スーパーで働くならAIスキルは必須ですか?
すべての職種で必須というわけではありません。
必要なスキルは企業や仕事内容によって違います。
まずは応募先の求人条件を確認し、自分が希望する仕事に必要なスキルを把握しましょう。
Q. AIを使えないとスーパーへの就職は難しいですか?
AIを使えないという理由だけで、スーパーへの就職ができなくなるわけではありません。
接客、商品管理、売場づくりなど、AI以外の能力が求められる仕事もあります。
ただし、AIを利用する業務では、基本的な操作や活用方法を知っていることが役立つ場合があります。
Q. AIが進化するとスーパーの仕事はなくなりますか?
一部の作業が自動化され、仕事内容や必要な人員が変わることは考えられます。
しかし、すべての仕事が一度になくなるわけではありません。
商品管理、接客、売場の判断など、人間が担当する業務もあります。
スーパーの現場職がAI時代にも簡単にはなくならないと考える理由については、AI時代でもスーパーの現場職はなくならない|現場25年の僕が断言する理由で、25年以上の現場経験をもとに詳しく解説しています。
職種ごとの将来については、スーパー業界とAIによる仕事・雇用の変化をまとめた総合ガイドも参考にしてみてください。
まとめ|スーパーマーケットのAI活用は、現場経験を生かす新しい選択肢になる
AIの活用方法を知り、自分の仕事や経験と組み合わせることが、これからのスーパーで役立ちます。
今回は、スーパーマーケットでのAI活用について、企業の導入事例と僕自身の実践経験を交えて紹介しました。
スーパー業界では、すでにAIを使った需要予測や自動発注、値引き判断などの取り組みが進んでいます。
そして、企業が導入する専用のAIシステムだけでなく、ChatGPTなどの生成AIも、現場の仕事を支援する道具になります。
僕自身、実際にAIを使って次のような仕事に取り組みました。
① 新商品23品の仕入れ比較と、値入率を自動計算するExcelの作成
② 折込広告の商品企画と、指定のExcel原稿への入力
③ 他店の売場写真を使ったPOP分析と、7商品の比較資料作成
こうした経験を通じて、AIは単なる情報検索や質問のためだけの道具ではないと感じています。
実際の仕事で使う資料を作ったり、考えるための情報を整理したりすることにも活用できます。
もちろん、失敗もあります。
数字が間違っていたり、思ったような成果物ができなかったり、何度も修正が必要になったりすることもあります。
それでも、AIに任せられる作業を少しずつ増やすことで、仕事の進め方に新しい選択肢が生まれます。
そして、これからスーパーへの就職・転職を考えている方にも伝えたいことがあります。
今すぐ高度なAIスキルがなくても、必要以上に不安になることはありません。
まずは希望する仕事に必要な能力を確認し、興味があれば身近なところからAIを使ってみることです。
僕自身、スーパー・青果業界で25年以上仕事をしてきましたが、今でも新しい発見があります。
AIの進化によって、これまでの経験が無駄になるとは考えていません。
むしろ、長年培ってきた現場経験とAIを組み合わせることで、新しい仕事の進め方を考えられるようになったと感じています。
スーパーマーケットのAI活用は、これからも変化していくでしょう。
このブログ「ベジふる」では、スーパー業界のAI導入や、現役青果バイヤーとして実際にAIを使った仕事の記録を、成功も失敗も含めて紹介していきます。
AIの具体的な使い方をさらに知りたい方は、スーパー業務を効率化するAIの使い方と実践例をご覧ください。
AIを知るだけで終わらず、実際の仕事にどう生かせるか。そこから、新しい可能性が広がっていくと思います。