【実録】青果バイヤーがChatGPTで新商品23品を比較!値入率まで自動計算するExcelを作ってみた
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「ChatGPTで仕入れ判断ってできるの?Excelまで作れるって本当?」
ChatGPTって、実際の仕事でどこまで使えるんだろう?
見積書を読み込ませて、商品を比較したり、Excelの表を作ったりできるのかな?
そんな疑問を持っている方もいると思います。
こんにちは。青果バイヤー歴20年以上、スーパーや百貨店の青果売場で働く、こーちです。
今回は、2026年10月12日に実際の仕事でChatGPTを使った記録を紹介します。
翌日、仕入先の社長との商談を控えていた僕は、新商品23品の中から導入候補を選ぶ必要がありました。
そこでChatGPT(普段は「チャイ」と呼んでいます)に見積書を渡し、商品選定を相談してみることにしました。
すると、思ってもいなかった展開になりました。
最終的には、新商品23品を比較でき、売価を変更すると値入率まで自動計算されるExcelファイルが完成したのです。
もちろん、すべてが順調だったわけではありません。
AIの提案が途中でブレたり、僕が何度も指摘したりと、失敗もありました。
その過程も含めて、実際に何をしたのか紹介します。
新商品23品の見積書をChatGPTに渡してみた
見積書と商品画像一覧を渡したところ、ChatGPTは資料間のJANコードの食い違いまで見つけてくれました。
今回のきっかけは、取引先から届いた新商品の見積書でした。
翌日、仕入先の社長が売場に来る予定だったので、それまでに導入候補を絞り込んでおきたかったのです。
届いた資料は、次の3つでした。
| 資料 | 内容 |
|---|---|
| 新商品見積書 | 22品の仕入価格・規格・入数など |
| 別見積書 | バナナチップス1品の詳細 |
| 商品画像一覧 | 商品写真・商品コード・JANコードなど |
全部で23品。
一つひとつ確認しながら、現状の品揃えや売価とのバランスを考える作業です。
これまでなら、自分で資料を見比べながら判断していました。
今回は、その作業にAIを参加させることにしました。
まずはPDFを読み込ませる
ChatGPTに3つのPDFファイルを添付して、最初に聞いたのは、たった一言。
「見れる?」
すると、ChatGPTは資料の内容を確認し、商品数や仕入価格、商品画像の情報を把握しました。
さらに、こんなことまで指摘してきました。
「商品画像一覧と見積書で、JANコードが一致していない箇所が1件あります」
えっ? どこ?
確認すると、ある商品のJANコードが、見積書と画像一覧で食い違っていたのです。
しかも、商品画像一覧では、別々の商品に同じJANコードが記載されていました。
どちらが正しいかはメーカーへの確認が必要ですが、人間が見落としがちな細かい違いを発見できたことには驚きました。
※JANコードの正誤はAIだけでは確定できません。必ず現物やメーカーの資料で確認する必要があります。
売れている商品を伝えて、新商品の導入候補を考える
売場の実情(売れ筋と既存商品)を伝えると、AIは品揃えのバランスまで考えた候補を出してくれます。
次に、実際の売場の情報をChatGPTに伝えました。
僕の売場では、すでに同じメーカーのナッツやドライフルーツを販売しています。
その中でも、よく売れているのが次の2品です。
- トレイルミックス
- ミックスナッツ
ほかの商品も少しずつ売れていますが、特にこの2品の動きがいいのです。
また、この日にはアーモンドやクルミ、ピスタチオなど、新たに4品が入荷していました。
つまり、今回の23品は、すでに販売している商品とのバランスも考えて選ぶ必要があります。
売れている理由をAIと考えてみた
ChatGPTから、こんな質問がありました。
「トレイルミックスとミックスナッツが売れているのは、なぜだと思う?」
僕はこう答えました。
「いろんな味を楽しめるからかな」
これは、日々売場で商品を販売している中で感じたことです。
ミックスナッツなら、いろいろな種類のナッツを一袋で楽しめます。
トレイルミックスなら、ナッツとドライフルーツなど、味や食感の違いがあります。
もちろん、本当の購入理由はお客様に聞かなければわかりません。
それでも、商品選定を考えるための仮説にはなります。
ChatGPTも、この視点から複数素材を組み合わせた商品を候補に挙げ始めました。
ところが、ここで問題が起きました。
ChatGPTのおすすめ商品が途中で変わった
AIの提案は参考になりますが、根拠まで確認しないと仕事の判断には使えません。
最初、ChatGPTが導入候補の1位に選んだのは、バナナチップスでした。
理由は、既存商品とは違うジャンルであり、売場に新しい需要を取り込める可能性があるから。
これは理解できます。
ところが、僕が「いろんな味を楽しめるから売れているのかな」と話した途端、今度はミックス系のクランチ商品を1位に変更したのです。
そこで僕は聞きました。
「なんで、さっきまでバナナチップが1位やったのに、変わったんや?」
ChatGPTは、新しい情報を受けて評価基準を変更したと説明しました。
ただ、考えてみると、バナナチップスの魅力が急になくなったわけではありません。
新しい情報を取り入れることは大切ですが、そのたびに結論が簡単に変わってしまっては困ります。
ここは、AIを使っていて気づいた重要な点でした。
AIの提案は参考になる。でも、提案の根拠まで確認しないと、仕事の判断には使えない。
実際の商品選定では、既存商品の販売状況、商品構成、価格、内容量、そしてお客様の需要を総合的に考える必要があります。
AIが1位と判断したからといって、そのまま仕入れるわけにはいかないのです。
23品を比較するExcelファイルを作ってもらった
23品を一覧で比較できるExcelを作ってもらうと、仕入れ判断がぐっとやりやすくなりました。
商品選定の話を続ける中で、もう一つ気づいたことがありました。
それは、ChatGPTの回答を文章で読むだけでは、商品ごとの比較がしにくいということです。
23品もあると、商品名、仕入価格、内容量、入数、想定売価などを頭の中で整理するのは大変です。
そこで、一覧表にして比較できるようにしてもらうことにしました。
ChatGPTが作成したExcelには、次のような項目が並んでいました。
| 項目 | 役割 |
|---|---|
| 商品名・規格 | 商品と内容量を確認 |
| 入数 | ケース単位の数量を確認 |
| 税抜仕入単価 | 商品ごとの原価を確認 |
| 仮売価(税込) | 販売価格を検討 |
| 仮売価(税抜) | 税込売価から自動計算 |
| 概算値入率 | 売価と原価から自動計算 |
| ケース仕入金額 | 初回仕入れの負担を確認 |
| 導入優先度・理由 | 商品選定の考え方を整理 |
さらに、全23品の比較とは別に、商談候補をまとめたシートまで用意されていました。
単なる商品一覧ではなく、仕入れの判断に使うことを考えた表です。
実際にパソコンで開いてみると、23品をまとめて見比べられるようになっていました。
そして、ここからが特に驚いたところです。
売価を変えたら、値入率も自動で変わった!
仮売価を変えるだけで税抜売価と値入率が連動するので、商談中の売価シミュレーションにも使えます。
Excelの表を確認していたとき、ふと思いました。
「この売価の数字、変更できるんかな?」
まず、変更前の画面です。仮売価は税込780円、税抜は722円と表示されています。

そこで、仮売価のセルを選び、金額を変更してみました。
すると……。
売価を変更した瞬間、税抜売価と値入率まで自動的に変わったのです。
変更後の画面が、こちらです。税込を680円に変えると、税抜売価も630円に更新されました。

実際の値入率は取引先との関係もあるので、画像では伏せています。思わず、何度も確認してしまいました。
値入率の計算方法
今回のExcelでは、税込売価から消費税を除いて、税抜仕入原価をもとに概算値入率を計算しています。
計算式は次のとおりです。
概算値入率(%)=(税抜売価-税抜仕入原価)÷税抜売価×100
例えば、仕入原価を税抜400円とした架空の例で比較してみます。
| 税込売価 | 税抜売価(概算) | 概算値入率 |
|---|---|---|
| 780円 | 722.22円 | 約44.6% |
| 680円 | 629.63円 | 約36.5% |
※税抜原価400円・食品消費税率8%という架空条件による説明用の試算です。実際の仕入原価・利益率とは異なります。端数は表示用に丸めています。
売価を100円下げるだけで、値入率がこれだけ変わります。
青果の仕事では、仕入原価と売価のバランスは非常に重要です。
これまでもExcelや電卓を使って計算してきましたが、今回のように23品を並べた表で、売価を変更するたびに値入率が連動するのは便利です。
例えば、商談中に「この売価ではちょっと高いかな」と感じたとき、その場で別の売価を試せます。
商品を比較する表が、そのまま売価のシミュレーションにも使える。
これは実務上、大きなメリットだと感じました。
ただし、この値入率はあくまで概算です。実際には、ロス、値引き、追加経費、社内経費なども考慮する必要があります。
実際に使って感じたChatGPTのメリットと弱点
複数資料の整理や表づくりは頼れますが、判断のブレや数字の検証には注意が必要です。
今回の仕事を通して、AIの便利さと注意点の両方を実感しました。
メリット① 複数の資料をまとめて確認できる
見積書と商品画像一覧を照らし合わせ、商品ごとの情報を整理できました。
JANコードの食い違いを発見したことも、その一例です。
メリット② 商品選定の視点が増える
既存商品の販売状況を伝えることで、品揃えの重複や、新たに取り込めそうな需要について考えることができました。
自分では気づかなかった視点が得られることもあります。
メリット③ 実際に使えるExcelを作成できる
今回、特に価値を感じた部分です。
単に計算方法を説明するのではなく、実際に操作できるファイルを作成してくれました。
注意点① AIの判断がブレることがある
今回のように、ちょっとした会話の流れでおすすめ商品の順位が変わることがあります。
なぜその商品を選ぶのか、根拠を確認することが大切です。
注意点② 数字は必ず検証する
計算式が入っていても、仕入単価や税率、計算方法が間違っていれば、正しい結果にはなりません。
今回は実際に売価を変更して、計算結果が連動することを確認しました。
注意点③ 取引先の情報管理が必要
仕入価格や見積書には、取引先との商談情報が含まれています。
AIサービスへの資料提供は会社のルールや利用条件を確認したうえで行い、記事として公開する場合も、取引先名、原価、個人情報などの扱いには注意が必要です。
この記事でも、実際の仕入価格の公開は避けています。
同じような比較表を作るなら、どう依頼すればいい?
作りたい表の項目と、自動計算にしたい部分、推測で補わないことをはっきり伝えるのがコツです。
今回の経験をもとに、ChatGPTへ依頼する文章の例を考えてみました。
以下は、そのまま応用できるように整理したサンプルです。
これから複数の商品見積書を添付します。
すべての商品を確認して、仕入れを検討するためのExcel比較表を作成してください。
商品名、内容量、ケース入数、税抜仕入単価、税込仮売価、税抜売価、概算値入率、ケース仕入金額を一覧にしてください。
税込仮売価は手動で変更できるようにし、税抜売価と概算値入率は自動計算してください。
見積書に記載のない情報は推測で補わず、不明点として残してください。
原本と作成したExcelの内容を照合して、商品や数字に抜けがないか確認してください。
A4横向きでも印刷できるように設定してください。
実際に依頼するときは、自分の仕事に合う項目を追加してください。
なお、AIによる確認だけで正確性が保証されるわけではありません。完成したファイルは、必ず人間が確認する必要があります。
よくある質問
本文で触れきれなかった疑問に、短くお答えします。
ChatGPTはPDFの見積書を読み取れますか?
今回のように、PDFファイルを添付して内容を確認することは可能です。
ただし、複雑な表や画像中心のPDFでは読み取りを間違える可能性もあります。元の書類との照合は欠かせません。
Excelの知識がなくても作れますか?
今回のように、作りたい表の目的や項目を文章で伝えて、Excelを作成してもらうことはできます。
ただし、計算結果の意味を理解し、間違いがないか確認することは必要です。
AIが選んだ商品をそのまま仕入れても大丈夫ですか?
僕はおすすめしません。
AIは商品比較や判断材料の整理には役立ちますが、実際の売場の状況や、お客様の動きまで完全に把握しているわけではありません。
最終的に何を仕入れるかは、現場を知る人間が決めるべきだと思います。
まとめ:AIは仕入れ判断を助ける、実用的な道具になる
AIに丸投げせず、現場の経験とAIの得意なことを組み合わせるのが、今の僕なりのAI活用です。
今回、実際にChatGPTと取り組んだことを振り返ります。
- 新商品23品の見積書と商品画像一覧を確認した
- 資料間のJANコードの不一致を1件発見した
- 既存の売れ筋をもとに新商品の導入候補を検討した
- AIの提案がブレる問題も経験した
- 全23品の比較Excelを作成した
- 売価変更に連動して値入率が自動計算されることを確認した
特に印象に残ったのは、Excelの売価を変更した瞬間に値入率が変わったことです。
頭の中で「こんなことができたら便利だな」と考えていたものが、実際に操作できる形になりました。
もちろん、ChatGPTがすべての仕事を代わりにしてくれるわけではありません。
商品を選ぶ理由を考え、価格を判断し、最終的に仕入れを決めるのは自分です。
でも、その判断に必要な情報を整理したり、計算を自動化したりすることには、大きな可能性を感じました。
AIに仕事を丸投げするのではなく、現場の経験とAIの得意なことを組み合わせる。
これが、今の僕なりのAI活用です。
今回作ったExcelが、翌日の仕入商談でどのように役立つのか。
実際に使ってみてわかったことがあれば、また記録していきたいと思います。
※この記事は2026年10月12日時点の実践記録です。翌日の商談結果については、現時点では記載していません。
著者:こーち
青果の仕入れ・販売に20年以上携わる現役バイヤー。スーパーや百貨店の青果売場で、仕入れ、売価決定、売場づくりなどを担当。実際の青果の仕事でAIを使いながら、気づいたことや改善事例を記録しています。