【サツマイモ】キュアリング(貯蔵)の方法、効果(メリット)を解説
サツマイモのキャアリングって何? 特殊な名前だけど…、何か農薬とか使ったりするの? キュアリングするメリット(効果)は?
こういった疑問にお答えします。
本記事の内容
- キュアリング(貯蔵)の方法
- キュアリングすることによるメリット(効果)
本記事を書いている僕は、サツマイモ販売歴20年以上の青果バイヤーです。
そんな僕がわかりやすく解説しますので、参考にしていただければと思います。
サツマイモのキュアリング(貯蔵)
順番にお話しします。
サツマイモは常に掘りたてのものが入荷してきているわけではなく、秋頃までに収穫したものが貯蔵され、翌年の6月頃(次の新物の入荷時期)までかけて順次入荷してきます。
通常はその貯蔵を、
- 温度13~14度
- 湿度85~90%
という、サツマイモにとって一番いい状態で行います。(貯蔵する理由は後程お話しします)
ただ、収穫の時にどうしてもスレ傷や掘り傷などがついてしまうものがあり、それらをそのまま貯蔵してしまうと、いくら一番いい状態で貯蔵していても傷口から菌などが入ってしまって腐ることがあります。
そこでキュアリングの出番です。
「キュアリング」とは、以下の通りです。
通常の貯蔵する前に4~5日くらい「温度30~35℃」「湿度を90~95%」に調節した場所にサツマイモを置くことによって、収穫時についてしまった傷口にコルクの層を形成させて傷口を塞いでしまう
この後に通常の貯蔵をすることで、腐ることを防ぎつつ長期間貯蔵ができるわけです。(なので、農薬などを使っているわけではないですよ)
キュアリングのメリット(効果)
このキャアリングをするメリットは、腐ることを防ぎつつ長期間貯蔵ができるだけでなく、サツマイモがより一層甘くて美味しくなることです。
収穫したてのサツマイモは水分が多いので、貯蔵して適度に水分を抜くことによって甘味を増しますが、キュアリングすることで傷口が塞がったサツマイモは、病原菌への抵抗力も増していて、高品質のまま長期間貯蔵できるので、糖化(デンプンが糖に変わること)をより進ませることができ、その結果より糖度が高いサツマイモになっています。
おわり
ということで、サツマイモのキュアリング(貯蔵)についてでした。
お店では「キュアリング貯蔵したサツマイモ」のようなPOPはあまり貼られていませんが、もし「キュアリング貯蔵したサツマイモ」を見つけたら食べてみてくださいね。
以上になります。