【重要】値入率と粗利益率の違い【ロスを見込んだ売価設定が必要】

【重要】値入率と粗利益率の違い【ロスを見込んだ売価設定が必要】

・きちんと値入率を計算して売価設定をしているのに、最終的に思っているような粗利益(率)が確保出来ていない…。なぜなんだろう…

・会社からの粗利益率予算があるけど…、じつはそもそも粗利益率と値入率の違いがよくわかっていない。
でもいまさら恥ずかしくて人に聞けない…

こういった疑問や悩みにお答えします。

青果小売業で20年以上働いてきてさまざま方と仕事をしてきましたが…、じつは上記のような疑問や悩みのある方って現場で意外と多いんですよね。

本記事を読むことで解決しますので、疑問や悩みのある方はぜひご一読くださいませ(^-^ゞ

【重要】値入率と粗利益率の違いは?

さっそく値入率と粗利益率の違いについてに解説します。

の前に、「値入率」「粗利益率」それぞれを解説します。その方が違いがわかりやすいですからね。

値入率とは

まず売価を決める時は原価に対して確保したい値入率(値入率分の金額)を乗せることによって決めます。

売価設定の計算式は下記の通りです。

売価=原価÷(1-値入率)

値入率はこの売価の中に占める利益のパーセンテージ(割合)のことです。

ちなみに値入率の計算式は下記の通りです。

値入率=利益(売価―原価)÷売価×100

簡単な具体例で解説します。

原価65円で売価100円の場合の値入率はいくら?

売価100円-原価65円=利益35円

利益35円÷売価100円=0.35

0.35×100=35%

この場合、値入率は35%です。

(詳しくは【小売業】売価設定で必要な基本計算式【儲けるコツまで丁寧に解説】で解説しています。)

粗利益率とは

次に粗利益率ですが、売上高に対する粗利益の割合のことです。

つまり売上の中に占める利益の割合のことですね。

粗利益率の計算式は下記の通りです。

粗利益率=粗利益÷売上高×100(%)

簡単な具体例で解説します。

1ヶ月の売上高が10,000,000円で粗利益高が3,200,000円だとすると、粗利益は?

この場合どのように粗利益率を計算するのかというと、

3,200,000円÷10,000,000=0.32

これに100を掛けるとで%で表すことが出来るので

0.32×100=32

この場合、粗利益率は32%です。

これは1つの商品に対しても考えられます。

わかりやすいように値入れ率の解説と同じ金額で解説しますね。

売価(売上)100円 原価65円 利益35円

35円(利益)÷100円(売価)×100(%)=35

ということで粗利益率は35%になります。

この粗利益率はどれだけ儲けることが出来ているかの目安で、小売業(商売の世界)で働いていく上では把握しておくべき数字です。

値入率と粗利益率の違い

値入率と粗利益率の違いですが、上記の計算式を見ると「意味は同じでは?」と思いますよね。

でも全く違います。

簡単に説明すると下記の通りです。

・値入率→売価設定をした時点での、売価の中に占める利益の割合

・粗利益率→(一定期間の商売がキリがついた時点での)売上高の中に占める粗利益高の割合

※何が違うのか?:ロスが含まれているかいないか

100%キレイに全部売り切ることが出来れば「値入率=粗利益率」になりますが、これは現実として取らぬ狸の皮算用で、実際には

・商品の廃棄ロス

・値引きロス

・売価変更ミスによるロス

・盗難ロス など

などのロスが少しは出てしまいますからね。

以上が値入率と粗利益率の違いです。

ここで、上記のことから言える売価設定をする時のポイントをお話しして本記事を終わりたいと思います。

狙った粗利益率を確保するためにはロスを見込んだ売価設定が必要

最終的に目標として狙っている粗利益率を確保するためにはどうすればいいのか?

答えは上記でお話ししたようにロスが発生してしまいますので、ロスを見込んだ売価を設定をしていく必要があります。

例えば目標の粗利益率が30%であれば、全ての商品に対しての値入率30%で売価設定をしてしまうと…、そこから多少のロスが発生してしまいますので最終的な粗利益率は30%にならないです。

そこであらかじめロスを見込んだ上での値入率で売価設定をする必要があるわけです。

ロスは何%を見込めばいい?

ここで、「ロスを見込む」といっても「どれくらいのロス率を見込めばいいの?」という疑問が出てきますよね。

ロスには先程お話ししたように「商品の廃棄ロス」「値引きロス」「売価変更ミスによるロス」「盗難ロス」などさまざまありますので、一概に「ロス率は何%」というのは決めづらいのが正直なところです。

ですが現実的に、青果小売業であればロス率を5%と考えて売価設定をすれば問題ないです。

「見込むロス率は5%」の理由は【ロス率】スーパー青果部門のロス率は何%?【ロス率の計算式も紹介】で解説していますが、簡単にお話ししておくと

・青果の平均ロス率は約3.5%

・5%以上のロス率を出していると重症

だからですね。

例えば粗利益率30%のノルマ(予算)であれば、5%のロスを見込んで値入率35%での売価設定をしていけば、最終的に粗利益率は30%あたりに落ち着いてくれます。(もちろん平均値よりも少ないロス率で商売することが理想ですよ。)

ちなみに「何でもかんでも35%の値入れをして売価設定をすればいい」ということではないんですよね。これについてはここでお話しするとかなり長くなりますのでまた別記事で解説します。

ロスを見込んだ売価設定の計算式は?

ロスを見込んだ売価設定の計算式ですが、現実としては専門的な式で計算する必要はなく、「最初からロスの5%を含めた値入れ率で売価設定の計算をすれば大丈夫」です。

先程の「粗利益率30%のノルマ(予算)」の例えで解説すると、30%の粗利益率を確保したいのであれば35%の値入れ率で売価設定をすればOKです。つまり「原価÷0.65」ですね。
(この計算方法について「?」な方は【小売業】売価設定で必要な基本計算式【儲けるコツまで丁寧に解説】をご覧いただけたらと思います。)

ロス率の計算式【おまけ】

ちなみに、ロス率の計算式は下記の通りです。

ロス率=ロス額÷売上額×100

まとめ

最後に本記事の大まかなポイントをまとめます。

・値入率→売価設定をした時点での、売価の中に占める利益の割合

・粗利益率→(一定期間の商売がキリがついた時点での)売上高の中に占める粗利益高の割合

※何が違うのか?:ロスが含まれているかいないか

・狙った粗利益率を確保するためには、最初からロスを見込んだ売価設定をしよう

ぜひ参考にしてもらえたらと思います。